遠隔画像診断支援サービス大手のドクターネット(東京都港区)は、レントゲン画像から病気などの異常があるかどうかを自動で判断するサービス「診断アシスト」を開発している。

 現在、大学やスタートアップ企業とともに、人工知能を活用した実証実験に取り組んでいる。「2年以内の実用化を目指している」と、ドクターネットの森脇博信社長は話す。

ディープラーニングを活用

 既存の人工知能の持つ課題を解決し、「50年来のブレークスルー」とも呼ばれるディープラーニングを活用した研究で、画像認識技術は飛躍的に向上した。認識精度は既に人間を凌駕するところまで来ている。北米放射線学会などでも2014年からディープラーニングを活用した画像診断の研究成果が報告されるようになってきた。

 森脇社長は「2015年は報告数が増えた。米国やカナダ、オーストラリアが進んでいる。当社には、遠隔画像診断支援サービスの展開によって毎年約20万のレントゲン画像、コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)による約30万の画像が蓄積されていく。これらの画像と診断結果を教師データに使って、ディープラーニング活用による画像診断エンジンを鍛えている。まずはレントゲン画像に関して、診断アシストの実用化を目指している」と明かす。

 具体的には、健康診断などで撮影したレントゲン画像と異常か正常かの診断結果を教師データとして使い、まずは画像診断エンジンに学習させて鍛える。学習後には、撮影したレントゲン画像1~2枚を、ニューラルネットで構成する自動画像診断エンジンに読み込ませると、異常または正常の判定をしてくれる。さらに異常の場合は、該当の箇所を抽出してくれるというものだ。

 異常と判定されたレントゲン画像を、医者が自らも確認して再検査などの判断をする。あくまで医者を支援する補助的な役割として使うことになる。

 第2段階としては、レントゲン画像と医者による診断書のテキストデータを教師データに使って画像診断エンジンを鍛える。診断書のデータについては、テキストマイニングによって教師データとして使えるように整理する。

 これによって単に異常か正常かの判定だけでなく、可能性のある病名の判定などもできるようにする。もちろん最終の診断は医者が下す。医者にとっては大きな支援となる。

 レントゲン画像にとどまらず、CTやMRIによる約30万の画像と医者による診断書も教師データに使っていく。「最新鋭のマシンで撮影した年間約50万の画像データと精度の高い診断レポートを使えるので、かなり確度の高い診断アシストができる」(森脇社長)と見込む。

 詳細は未公表だが、ディープラーニングを得意とする大学の研究室やスタートアップ企業、大学病院、そしてドクターネットが知恵を出し合って、実用化を目指しているという。

画像を自動診断し、医師の判断を支援する
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