食店向け予約/顧客管理サービスの開発・販売を手掛けるトレタ(東京都品川区)は、飲食領域におけるビッグデータ分析や人工知能(AI)などを研究する組織「トレタデータサイエンス研究所」を設立。第1弾として、慶應義塾大学と共同で、予約データを用いた需要予測による店舗行動最適化などに取り組む。

 トレタには、2013年のサービス開始から約4年間で蓄積した4000万件近い飲食店の予約データや飲食店の購買データなど、飲食領域におけるビッグデータが蓄積されている。

 トレタデータサイエンス研究所はこうした飲食ビッグデータやAIの研究に取り組むことを目的として設立しており、所長には、リクルートマーケティングパートナーズ出身でデータサイエンティストの萩原静厳氏が就任した。

 萩原所長はリクルート時代に、東京大学大学院の松尾豊特任准教授の研究室と共同で教育事業における研究に取り組んでいた。オンライン学習サービス「スタディサプリ」の学習ログデータを分析し、カリキュラムを構成する各単元は互いに関連しているネットワーク型になっていることを突き止めるなどの実績がある。

 第1弾として、ビッグデータ分析やAI活用のマーケティング研究で実績のある、慶應義塾大学経済学部の星野崇宏教授の研究室と共同で、予約データを用いた需要予測による店舗行動最適化や、キャンセル数予測、位置情報と連携した出店シミュレーションなど多岐にわたり取り組む。

1万店舗の予約データを日々蓄積

 トレタの予約/顧客管理サービスの顧客は全国で1万店舗に達する。月額の利用料金は1万2000円(税別)で、継続率は99%だという。

 萩原所長は「予約データは未来を示すデータであり、様々な予測や行動最適化を実現できると考える」と話す。例えば、1週間後の予約の入り状況から従業員の配置や行動の最適化、仕入れの最適化など店舗のオペレーションの改善が可能だという。

 データサイエンス研究所は、データサイエンティスト4人、エンジニア1人、デザイナー1人でスタート。副所長の上ノ郷谷太一氏はデザイナーとして、クックパッドのアプリケーションやロゴのデザインなどを手掛けた経験を持つ。上ノ郷谷副所長はCDO(最高デザイン責任者)で、デザイン部部長を務めている。研究所では、デザインとデータの融合研究として、人の活動を中心にしたシステム設計にも取り組む。

顧客の来店回数が4回目を超えると、再来店する割合が高くなる(出所:トレタ)
顧客の来店回数が4回目を超えると、再来店する割合が高くなる(出所:トレタ)
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 研究所としての研究はこれからだが、既にトレタでは飲食ビッグデータの分析に取り組んでいる。例えば、来店回数と飲食店の売り上げは相関があることを見いだしている(図)。具体的には来店回数が4回を超えると、再来店する割合が高くなる。

 リピート率が上がると、1坪当たりの売り上げが上昇する。当初坪月商16万円だが、リピート率が上がり2年後には33万円と倍増していることが分かった。