資生堂は、IoTスキンケアシステム「Optune(オプチューン)」のベータ版提供を今春より開始する。スマートフォンで撮影した肌を分析し、個人に合わせた美容液の配合を専用マシンにセットしたカートリッジから抽出して使う。肌状態を測定する店頭専用機器から得たデータや、既に配信している肌チェックアプリの技術を活用し最適な画像を選んで肌測定に生かす。

 Optuneはアプリ、美容液と乳液のカートリッジ、専用マシンで構成されている。利用者はアプリを起動させ、スマホのカメラを使い肌を撮影する。これを基に肌のきめ、水分量、皮脂量、毛穴の状態が分析され、利用者に適した美容液3種類と乳液2種類、専用マシンが届けられる。

 日々の使い方はこうだ。任意の時間にスマホで肌を撮影する。その画像からアプリが水分や皮脂量を測定し、「ゆらぎインデックス」として1~100の間でスコア化してスマホ画面に表示する。専用マシン前部の画面からもその日の気分を入力する。生理周期はあらかじめ登録しておく。

肌を測定するOptuneアプリ(右)と専用マシン。マシンの下部に手を入れると、1000パターン以上の組み合わせから個人に合った美容液が自動で抽出される
肌を測定するOptuneアプリ(右)と専用マシン。マシンの下部に手を入れると、1000パターン以上の組み合わせから個人に合った美容液が自動で抽出される
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 これらのデータは、天気予報専門サイトのtenki.jpが提供する天気や温湿度、紫外線の量などの気象データと合わせてクラウド上で分析される。その結果から、利用者個人に最適な美容液の配合が決定する。アプリは専用マシンと連携しているため、専用マシンからはその配合の美容液が抽出されるという仕組みだ。

店頭での肌データを生かす

 美容液の配合を決める解析には、機械学習や深層学習の手法は使っていない。独自アルゴリズムは、モニターテストで評価を取るということを繰り返して精度を高めている。

 資生堂は今までも店頭に肌チェックの専用機器を置き、蓄積してきた肌データを基にスキンケアの助言をしてきた。肌形状と皮膚生理指標の関連性について30年以上にわたる研究の知見も生かしているという。

 資生堂は2017年9月、利用者がスマホカメラで撮影した肌の画像からその状態を分析し助言する「肌パシャ」という無料アプリの配信を開始した。Optuneアプリの画像解析機能はこの肌パシャの技術を利用する。Optuneアプリが複数枚の中から最適な画像1枚を選び出す際には、店頭専用機器などからのデータとも相関させている。肌パシャアプリは現在までに、当初見込んでいたよりダウンロード数が10倍あるという。

 Optuneアプリ上では肌の状態やケア内容の履歴、カートリッジの残量の把握なども可能だ。少なくなると購入を促すアラートが出る。

 資生堂ジャパンのブランドマネジメント部新規接点開発室デジタルフューチャーグループブランドマネージャー、川崎道文氏は「ベータ版のリリース後、満足度や継続購入の状態、コールセンター対応などCRM(顧客関係管理)を含め1年ほど検証する必要がありそうだ」とする。資生堂は今後、肌の色に合うファンデーションも検討していく。