スタートトゥデイは2017年11月末に上下着脱の採寸用ボディースーツの予約受付を開始した。現在の段階では150個ものセンサーを内蔵しており、体の1万5000カ所にも上る寸法を瞬時に計測する。S、M、Lなどサイズの目安が限られるファッションeコマースの課題であるサイズの不安を解消したり、体型データを活用したりする狙いがある。

 「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」はニュージーランドのソフトセンサー開発企業StretchSenseと共同開発した。同スーツは無料で、送料200円で申し込みを受け付けている。スマートフォンとBluetooth通信で接続し、体型データをZOZOTOWNアプリに保存する。アプリ上に表示される計測値は24カ所。首周り、肩幅、腕周り、腕の長さ、胸囲、ウエスト、ヒップ、太もも周り、ふくらはぎ周り、足首周り、股下などである。

 ZOZOSUITと同時に発表された同社プライベートブランド「ZOZO」から展開される商品では「究極のフィット感」を実現するためにデータ活用するという。計測した体型データを活用し、ZOZOTOWN上で商品を注文する流れだ。また商品の検索機能やレコメンド(お薦め)機能の充実を図っていく。現時点で同ブランドを冠した商品の販売はしていない。

靴にも展開

 スタートトゥデイの前澤友作代表取締役は昨年11月25日、Twitter上で、靴用に足の採寸もできるようにするとツイート。靴は立った時や歩いた時の加圧も重要で、体を計測する以上にZOZOSUITのセンサー技術が生きる部分だとして開発を行っていることを明らかにしている。

 ZOZOSUITは受付開始後10時間で約23万件の申し込みがあったという。想定を上回る申し込みで、発送が遅れている。現時点でZOZOTOWN上での同スーツの案内ページに付けられたお気に入りの数は8万8874人。消費者の高い期待が表れている。

ZOZOTOWNの商品説明とともに記載されている、目安となるサイズの一部説明(左)。トップだと5つ、パンツだと6つほどあり、現在は専門スタッフが洋服を採寸している。一方、ZOZOSUITは現時点で150個のセンサーが体の1万5000カ所を瞬時に計測する(スタートトゥデイの資料より)
ZOZOTOWNの商品説明とともに記載されている、目安となるサイズの一部説明(左)。トップだと5つ、パンツだと6つほどあり、現在は専門スタッフが洋服を採寸している。一方、ZOZOSUITは現時点で150個のセンサーが体の1万5000カ所を瞬時に計測する(スタートトゥデイの資料より)

 現在、ZOZOTOWNで扱う商品ごとに着丈、身幅、そで丈などを、平置きした状態から専門スタッフがセンチメートル単位で採寸している。例えば、あるニット商品(Mサイズ)は「着丈53」「肩幅40」「身幅47」「そで丈53」という4種類の値で掲載されている。

 ZOZOSUITの導入後もこうした採寸サイズは掲載していく予定だ。「ZOZOSUIT(で計測する値)とサイズを照らし合わせて使える」(スタートトゥデイ広報)という。サイズについての注意書き「サイズガイド」では、どこの部分が身幅に当たるのかなどの詳細が掲載されている。

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