マツダのもうひとつのビジョンモデルが、2015年に発表した「RX-VISION」だ。ブランドの魂を宿すロータリースポーツコンセプトのRX-VISIONも、マツダが挑む新たな表現を示した、次世代マツダデザインのもう一方のブックエンド。VISION COUPEと対の存在であることは随所に見て取れる。

マツダブランドの魂を宿す、ロータリースポーツコンセプトRX-VISION。次世代マツダデザインのもう一方のブックエンド
マツダブランドの魂を宿す、ロータリースポーツコンセプトRX-VISION。次世代マツダデザインのもう一方のブックエンド
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 スタイリングでいえば、フロントからリアまでが1つのラインで描かれたVISION COUPEは直線的。RX-VISIONは、柔らかで曲線的な印象だ。VISION COUPEは長いボディショルダーいっぱいに硬質で研ぎ澄まされた光を映すが、RX-VISIONが映す光は、ボディ側面で柔らかくZ字形に移ろう。

光や景色の映り込みが、ボディ側面でZ字を描くRX-VISION。FRスポーツカーならではのフォルムや繊細な面表現が、艶やかな生命感を生んでいる
光や景色の映り込みが、ボディ側面でZ字を描くRX-VISION。FRスポーツカーならではのフォルムや繊細な面表現が、艶やかな生命感を生んでいる
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 カラーリングは、VISION COUPEが硬質でシャープな印象のマシーングレーの進化系。RX-VISIONはブランドカラーとして使われてきたソウルレッドの進化系となる艶やかなレッド。VISION COUPEが日本刀のような「凛」を表現するなら、RX-VISIONは花の「艶」。2台の特徴は、それぞれのデザインによって明確に表されている。

 次世代マツダデザインの真髄、引き算の美学を体現した2台のビジョンモデル。「生命感」も「凛」も「艶」も、2010年からマツダがデザイン哲学として掲げてきた魂動デザインの重要な要素だ。VISION COUPEの削ぎ落としたようなシンプルで伸びやかな表現や、RX-VISIONの艶めかしいまでの生命感は、今後登場するマツダ車にどのような進化をもたらすのだろうか。

緊張感漂う2台のビジョンモデル。VISION COUPEが「凛」なら、2015年に発表した「RX-VISION」は「艶」。魂動デザインの両極となる
緊張感漂う2台のビジョンモデル。VISION COUPEが「凛」なら、2015年に発表した「RX-VISION」は「艶」。魂動デザインの両極となる
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(写真提供/マツダ)