多様な人材を活用したり、逆転の発想で取り組んだり、生活者の視点を重視したりすることで、今までにない新しい市場の開拓に成功している企業は少なくありません。実際に新しい発想で商品やサービスを開発した多くの企業の事例を改めて紹介します。(※「ビジネスのアイデアがどんどん出てくる本」 2017年5月発行の記事を再構成)

日本橋三越本店の本館4階にある「リ・スタイルレディ」は婦人服と雑貨の売り場。メインターゲットは、ファッション感度の高い60歳以上のシニア世代。既存のシニア向けの品ぞろえとは一線を画し、「ファッション性」を軸に商品をラインアップしているのが特徴だ。

ここで学ぶポイント
  1. 従来のシニア向け売り場のデザインを刷新
  2. シニア向けでなくファッション好きな人向けに
  3. シニアは「シニア向けデザイン」を嫌う傾向も

 「リ・スタイルレディ」は、おしゃれを楽しむ「今どきのシニア」が好んでくれそうな良質なものをセレクトしている。商品のほとんどがシニア向けにデザインされた商品ではないため、店頭は若々しい雰囲気だ。三越伊勢丹の三越日本橋店 婦人・子供営業部マダムスタイル・フォーマル・サイズの齋藤裕セールスマネージャーは「リ・スタイルレディは世代で区切らず、ファッションに敏感なあらゆる世代の方が楽しめる売り場を目指している」と話す。

 実は日本橋三越本店では、顧客に向けて「シニア」という言葉を使わないのがルールだという。リ・スタイルレディでもこれまで、シニア向けと大々的にはアピールしていない。

 「ファッションへの関心が高いシニアほど、シニア向けと限定された商品を好まない傾向にあることは、これまでの経験から分かっていた」と齋藤マネージャーは言う。シニアらしさを払拭して売る戦略によって、リ・スタイルレディの売り上げは前年実績を超え、目標も達成している。

シニアも好きな服を楽しむ

 リ・スタイルレディの立ち上げは、バイヤーからの提案だった。好きな洋服を自由に着こなし、ファッションを楽しむ60歳から100歳の女性を写した海外の写真集「Advanced Style」に倣い、「今までのシニアのファッションとは違う新しい提案ができたら」と企画した。

 これまでもシニア世代に向けたファッションの提案はしてきたが、

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