新しい発想を生み出せるかどうかは、企業環境に大きく左右される。経営者が率先して環境つくりに取り組まないと、社員から新しい発想は出てこない。役立つ事例を改めて紹介します。(※「ビジネスのアイデアがどんどん出てくる本」 2017年5月発行の記事を再構成)

「変なホテル」のブランディングを手掛けるGRAPHの北川一成氏は、このネーミングを自ら考案して提案したのだという。1度聞いたら記憶に残る。そして、なぜ、そんな名前なのか知りたくなる。さらに意味を知ると、誰かに伝えたくなる――そんな口コミによる伝播は、狙いどおりだった。

 「目指すのは、クライアントのビジネスツールとなる“役立つデザイン”。デザインの本来の目的は、知名度を上げたり集客したり、結果を出したりすること。たとえプレゼンに通っても、ビジネスの役に立たなければ意味がない」。

 そう話すのは、デザイン会社であるGRAPHの北川一成氏だ。2015年7月に開業した、長崎県のハウステンボスに隣接する「変なホテル」はGRAPHがブランディングを手掛け、北川氏による風変わりなネーミングが、ホテルの知名度を高める後押しとなった。各メディアは、変なホテルのプレス発表後、ハウステンボスに新しいホテルができるというニュースだけでなく、「ロボットや先進技術を駆使した今までにない新しいホテル、だから『変わり続けることを約束するホテル』。略して、変なホテルである」と、コンセプトと一緒に報じ、その名が一気に広まった。

ここで学ぶポイント
  1. コンセプトをネーミングで表現する
  2. 1度聞いたら記憶に残るインパクトを
  3. 最終決定権のある人を必ず巻き込む
ハウステンボスに隣接する「変なホテル」のフロントと外観。2017年春には千葉県浦安市にもオープンした
ハウステンボスに隣接する「変なホテル」のフロントと外観。2017年春には千葉県浦安市にもオープンした

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