マーケティング戦略を組み立てていくときに最初に取り組むのが、現状を把握し、市場をつかむための「環境分析」。知っておきたいポイントを、改めて紹介します。※「マーケティング基礎読本増補改訂版」(2017年5月28日発行)の記事を再構成

マーケティングにかかわる外部環境と内部環境をプラス要因とマイナス要因に振り分ける。その際、関係者全員が積極的に意見交換し、全体像を共有することが大切。その後、TOWSマトリクスに展開し、戦略の幅を広げていく。

 「SWOT」は、マーケティングを取り巻く外部環境と内部環境をプラス要因とマイナス要因に振り分ける、シンプルなフレームワークである。

 強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)をそれぞれ意味する4つの頭文字から、使い方をイメージすることもさほど難しくない。

 しかし、注意すべきポイントは、「SWOTマトリクス」を埋めたところで、次のステップが自然に浮かんでくるものではないということだ。

 SWOT分析利用企業を対象にした調査で、「SWOT分析の結果を、戦略策定に使っていなかった」という結果を発表した論文もある(注1)

注1:三谷宏治『経営戦略全史』(2014)107pより

分析の目的は戦略の策定

 マーケティングを進めていく上で、「SWOT分析」は「戦略策定」を目的にしていることを意識することが重要だ。その3つのポイントについて、確認してみよう。

(1)SWOT分析を通し、チームで議論できる共通認識を形成する

 新たな目標設定についてチームで議論を始めると、各自の視点や経験が異なるため、議論が錯さく綜そうしがちだ。

 そこで、議論の土台を作るために、ワークショップ(関係者全員の意見交換)でSWOT分析が使われる場合がある。関係者全員でSWOTマトリクスを埋めながら、ある程度現状について、共通認識を形成しておくと、みんなが考えるべき課題を明確にすることができる。

SWOTからTOWSへ2つのマトリクスで戦略策定

図1 仮想的な宅配ピザブランドを想定したSWOTマトリクスの例
本ムックの前のページで紹介している、「PEST分析(マクロ環境)」「5F分析(業界環境)」「3C分析(ミクロ環境)」は、外部環境分析のツールである。内部環境については、「バリューチェーン(企業活動の価値連鎖)」「VRIO(経営資源の競争優位)分析」「財務分析(固定費・変動費)」が有効。「プラス要因」か「マイナス要因」かの振り分けは、絶対的なものではないため、両方を客観的に比較し意味付けする必要がある。
図1 仮想的な宅配ピザブランドを想定したSWOTマトリクスの例
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