デジタルマーケティングの今を理解するのに欠かせないテクノロジー関連のキーワードを事例と共に解説します。大ヒットムックから改めて紹介します。(※「最新マーケティングの教科書2018」(2017年12月14日発行)の記事を再構成)
アプリを使わず、パソコンやスマートフォンのWebブラウザー向けに、プッシュ通知を送信できる機能を指す。マーケティングファネルの初期段階にある見込み客に対して有効な手段になり得ると、近年、脚光を浴びた。プッシュ通知を受け取れるブラウザーが「Chrome」「Firefox」に限られるのが普及への課題か。
高いリーチが見込める手段として期待大 対象ブラウザーが限られるのが今の課題
スマートフォン向けのネイティブアプリを使わず、Webブラウザーの機能を利用して、ユーザーのパソコンやスマートフォンなどにプッシュ通知を送信できる機能を指す言葉。Webプッシュ通知ともいう。
2015年春に、グーグルが提供するOS「Google Chrome OS」がアップデートされる際、Service Workerという基盤技術が発表された。これを利用することで企業などは、ユーザーが自社のWebサイトを訪れていなくても、パソコンやスマホなどデバイス上でブラウザーを立ち上げていさえすれば、ブラウザーへプッシュ通知でメッセージを送ることができるようになった。
従来、企業などが活用してきたメールなどと比べ、ネイティブアプリへのプッシュ通知同様に、高いリーチが見込める。プッシュ通知を受け取るユーザーからの許諾こそ必要だが、個人情報を入力してもらう必要はなく、ネイティブアプリをダウンロードするような手間も不要。このことから、マーケティングファネルの初期段階にある見込み客などに対して、有力なマーケティング手段になり得るとして脚光を浴びた。
もっとも普及への課題もある。プッシュ通知を受け取れるブラウザーが原則、「Chrome」「Firefox」に限られていることだ(一部サービスはパソコン向け「Safari (OSX)」に対応)。マイクロソフトはWindows 10以降のブラウザー「Microsoft Edge」で対応を予定するが、利用者の多い「Internet Exploler」は対応しない見込み。利用を考える企業はブラウザーの市場シェアなどを見ながら導入を検討することになりそうだ。
藤崎実、徳力基彦著
宣伝会議 1800円(税別)
マーケティングを顧客視点で組み替えることの例として、顧客と一緒にマーケティングするアンバサダープログラムを取り上げた書。顧客へのアプローチをどうすべきか。例えば情報をプッシュ配信するのか、顧客から訪れてもらうのかなどを考える際、大いに参考になる。